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畑と土地と人と つながる パンづくり

畑と土地と人と つながる パンづくり

#インタビュー

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「パンは生き物。毎日同じようにつくってるのに、まったく同じものが一つもできない。
だからこそ、すごく誠実なものなんです。」

そう語るのは、KURKKU FIELDS場内のベーカリー・Lankaの高木さん。

気温、温度といった環境の変化はもちろん、触れ方、息づかい、つくり手の心の状態さえも、すべてがパンの味や表情に現れると言う。その奥深さに魅せられ、KURKKU FIELDSでのパンづくり4年目を迎えた。
生地と会話し、素材の声に耳を澄ましながら、毎日パンを焼いている。

パティシエとして働いたあと、都内のパン屋へ。
そんな中、北海道の小麦畑を訪れる機会があった。

「そのとき気づいたんです。私、素材のことをほとんど知らないままつくってたんだって。」

広い畑に立ち、風に揺れる小麦を目の前にしたとき、
素材の始まりを知らないことへの違和感が胸に強く残ったという。

その頃、偶然KURKKU FIELDSの存在を知った。

「『小麦から育てています。』 その言葉を見た瞬間に引き込まれました。ここなら、一からパンの始まりと向き合えると思って、すぐに飛び込んできちゃいました。」

当時は、自家製酵母を使っており、場内で採れる果実から起こす酵母づくりや製粉の工程に触れられる環境があった。学びたいと思っていたことがすべて揃っていた。

「パンは、湿度、温度、粉の水分値や粗さ、自分の心の状態…その全部がパンの表情に関わるんです。」

パティシエ時代、ケーキづくりをしていた時は、正確さと再現性を極めていく世界だった。0.1g単位で計り、工程を丁寧に積み重ねることで、おいしさを届けていく。

一方、パンづくりは、発酵という“止まらない時間”と向き合う仕事だという。
まず、味を決めるのは、酵母(ルヴアン)。酵母は、毎日手をかけ、育て続けることで菌が増え、少しずつ表情を変えていく。そこに小麦と水を加え、生地になり、さらに発酵を進める。発酵は止まらないため、同じ工程でも、同じ生地にはならない。

「触った瞬間の元気さとか、今日は張りがあるなとか。
それを見て、生地にどのように関わるかを決めていきます」

酵母の機嫌、温度、湿度、粉の状態。その日、その瞬間にしかない生地の表情を受け取りながら、アプローチを変えていく。毎日違う生地に、毎日違う答えを返していく感覚。

「生地と会話してるみたいで、本当に楽しいです。」

毎日が実験で、毎日が答え合わせ。小麦も、塩も、水も、季節の果物も、すべては自然の中で生まれ、育まれてきたもの。天候や季節、土地の環境を背負って届くものをそのまま預かっているということを、4年経った今ようやく実感しているという。

そんなKURKKU FIELDSでのパンづくりは、“つくりたいパンを決めて材料を揃える”のではなく、“素材の恵みからパンを考える”のだという。

果実の味わい、季節、小麦の出来の違い。素材の声を聞きながらパンを育てることが、たまらなく好きだという気持ちが伝わる。

「生地って、本当に自然の一部なんですよね。
育ていてるのはパンだけど、実は自分も育ててもらってる気がします。」

千葉の生産者とのつながりも力になっている。

パンに使用する小麦は、農場の小麦や八街市のイタリア小麦【イマフン】をランカ内の製粉機で製粉し、全粒粉で余すことなく練り込まれる。小麦ひとつとっても、種を蒔き、麦踏みをし、成長した稲を刈り、脱穀され、乾燥し、製粉を経て、初めて粉になる。

また、場内で育った野菜や九十九里浜で作られた塩、旭市で育てられた落花生もパンの材料として使用している。
「みんなすごく熱い方ばかり。
その人たちと出会うと、私も頑張ろうって自然に思えるんです。」

どれも仕入れ先というより、顔の見えるつながり。誰が、どんな思いでつくっているのかがわかると、素材への向き合い方も変わっていく。

足を踏み入れると、自然と気持ちが明るくなるLanka。
挨拶の声が飛び交い、誰かの笑い声が聞こえて、空気がやわらかい。

チームを率いる立場として、高木さんが何より大切にしているのは、“誰も置いていかない”ことだという。

一人が先に走るだけではチームは機能しない。だから朝礼はなるべく欠かさない。
昨日のお客さんの声、今日の作業、困っていること、嬉しかったこと。たった5分でも、みんなの気持ちを揃える時間にする。

「私だけが仕切るのではなく、みんなが言い合える関係がいい。
社員・パート関係なく、家族みたいに仲良く、ちゃんと対等です。」

多くのパートさんが関わっているお店だからこそ、
互いに支えあう空気を大切にしている。

パンの香りだけではなく、人と人との距離感が、場所の心地よさに結びつく。

そして毎日の賄いの時間も、チームをつなぐ大切な習慣だ。
余った野菜の皮でスープを作ったり、パン粉でグラタンを作ったり、ここで使われる素材をきっかけに新商品が生まれたこともある。

「みんなが持ち寄って、みんなで食べる。
そういう時間が、Lankaの雰囲気を守ってくれてる気がします。」

たくさんのことを積み重ねてきた4年間。彼女の心の中に、少しずつ輪郭を持ちはじめた未来がある。

それは“特別なパン”ではなく、地元の人の日常に寄り添う、日々の糧になるパンをつくりたいという願い。

以前、徳島県神山町を訪れたときの体験も彼女の考えに影響を与えたという。
農業や食、暮らしが自然に結びつき、地域の中で循環している町だ。

 「その土地の恵みをみんなで食べて続けていく、その空気がすごく良くて。」

顔の見える生産者、町に根付くパン屋、手に取った食材の背景を知っている暮らし。神山には、人の営みがあるからこそ守られてきた食材や文化が、確かに息づいていた。

「ここにある恵みで、続いていくパンを。Lankaもそんなお店にしたいなと思ってます。
もちろん、ベースとなっているフランスのパン文化も学びたいし、地元に戻って母とお店をやりたいという夢もあります。でもいまは、この土地で、地域とパンのつながりを育てていきたいと思っています。」

パンが自然の恵みから生まれ、人の暮らしの中を巡るものだと感じられるお店にしていきたいと話す。

今日もまた、生地に触れ、香りを確かめ、
この土地の時間と向き合いながらパンを焼く。

特別じゃなくていい。

けれど、なくてはならない存在として。ここで生きる人たちの日常とともに、
ゆっくりと、確かに育ち続けていく。

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KURKKU FIELDS MAGAZINE 編集部
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